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まなぶ

情報過多社会では「寝ること」すらサバイバル──障がい特性のある人のための睡眠術

あけましておめでとうございます。おそらくコラムは新年2回目のアップとなりますが、書いているのは新年開けなのであけおめで間違いはないのです。

皆様はどんな年末年始をお過ごしでしたでしょうか。また、仕事をしている方は仕事始めからお元気に仕事をされておりますでしょうか。私の年末年始はまた遅起き夜更かしの生活でありました。それで睡眠リズムがまた崩れ、昼のデスクワーク中は眠くてたまりません。

「早く寝て早く起きればいいのではないか」という正論を言う自分もいるのですが、私はもともと夜型な上、ADHDの特性なのか寝る直前になって「そういえばあれどうなった?」と気になって作業を始めたり調べ物をしてしまうので寝るのが更に遅くなり、その当然の結果として朝起きるのがしんどくなります。

下手したらApple Watchの目覚まし機能を突き抜けて本当にギリギリに起きてしまうこともあります。前のデスクワーカー時代はギリギリ遅刻ということもよくあって精神的にかなり良くないですし、職場での評価も当然悪くなります。あれはかなりしんどくて一度在宅勤務及びフリーランスになった理由の1つですね。

現在の職場は家に近いので遅刻などはしていませんが、割とギリギリに起きてしまうは相変わらずです。もし、また家から遠いところに就職していたら再びひきこもり生活に戻っていてもおかしくない。どこで仕事をするのかも一つのサバイバル術なのかもしれません。

睡眠の難しさとひきこもり

などと自分の睡眠についていろいろ語っていましたが、睡眠のリズムや質というのはひきこもり問題と深くかかわっているように感じています。ひきこもりの方が発達障がいと断ずることは出来ないのですが、発達障がいの特性に「気が散りやすい」とか「時間感覚も曖昧で寝る時間がおかしいこと」になるということはあるようです。

また、特別支援学校の生徒は不眠などの睡眠障がいを併発しているケースも多いという話を現場の方から聞いたこともあり、「ちゃんと寝る」ということは当たり前のことではないというか、今の情報過多社会においては重要なスキルとか才能に値するものなのではないかと思います。

そして、朝起きて夜寝るというのが当たり前な社会においては、睡眠が不安定な人はそれだけで選べる仕事が大幅に減ってしまうという現状もあります。ひきこもりになったきっかけが不眠という方もかなり多いのではないでしょうか。

では、ひきこもりから脱出するためにも生活リズムを整えればいいのではないかと感じるかと思いますが、「気合でなんとかなったら何とかしているわ!」というのが不眠症とか睡眠障がいの辛さでもありますね。

睡眠リズムを整えるために

睡眠障がいを何とかすることだけが、ひきこもりにならないとかひきこもり状態から脱する唯一の方法ではないですが、睡眠リズムを安定させて損することは「体内時計がそもそも24時間ではない」という方以外には無いと思います。

自分もあまり実践できているわけではないですが、「寝ること」も1つの技術として割り切って考えると少しは楽かもしれません。

寝る技術というと一般的にいわれるのは「睡眠儀式を作ること」ですね。たとえば歯を磨くとかパジャマに着替えるとか、そういうものです。確かに睡眠儀式をうまく行えればスムーズに寝ることができます。

しかし、同時に睡眠儀式をするのさえめんどうくさくて眠れないときは、何もかもスキップして床に適当に寝ちゃってもいいと思います。とにかく「寝る」ということも柔軟に対処したいものです。

また、自力で睡眠リズムを整えるのが難しいという方は素直に精神科や睡眠外来を受診して、なぜ眠れないのかを調べ、必要なら睡眠薬などを処方してもらったほうがいいのではないでしょうか。その際は経験上、処方された薬はちゃんと飲みましょう…。間違えた飲みかたをして逆に体調がひどいことになったことがあるので…。

それと、夜寝るための薬を飲むことは作業などを強制終了することでもあります。もういろいろぐるぐるしているし仕事も気になる!でも寝ないと明日に差し支えるという状態のときは意識して薬を飲み「今日はシャットダウン!」と叫んでしまった方がトータルでの仕事や生活の質が上がるんじゃないかと思います。

あとは夜中に起きたら起きたで、仕方ないから軽く作業しましょうとか、昼寝を積極的に取ったほうがいいのでは…などもありました。そのうちまた詳しく書きたいと思います。

ただ、一度、寝るのもテクニックだよ!と割り切って考えてみると解決方法が見えてくるかもしれません。そして、私は「分かっちゃいるけど…」となって眠い目をこすりながらこのコラムを書く羽目になっているわけですが…。サバイバル術を知っているのと実際にサバイバルがうまくいくかは別問題なんだよなぁ…といつも思いますねぇ…。

そもそも病院にいけないこともある

ところで、ひきこもりの問題に不眠や発達障がい、睡眠障がいが関わっていることはおそらく想像以上に多く、気合いとやる気ではどうにもならないことが大半ではないでしょうか。今回のコラムで取り上げた睡眠障がいもまた、一人でどうにかするのは難しい状態です。

睡眠リズムが安定せず、不眠で疲れて動けなくてひきこもり状態になっている方も多いのではないでしょうか。しかし、ここまで進んでしまうと一人で病院に行くにも辛い状態になっていることもあります。そういう方は自宅まで医者が来てくれる訪問診療を受けられるケースもあるので、ぜひお近くの在宅診療所に連絡を取ってみてください。

このコラムを掲載している「たゆらかたうん」は「NPO法人しろひげ・たゆらかファンド」が運営しており、当法人と連携している「しろひげ在宅診療所」もまた、江戸川区を中心に訪問診療を行っております。江戸川区にお住まいの方でひきこもり状態に悩んでいる方やご家族の方は一度しろひげ在宅診療所に相談してみてはいかがでしょうか。

また、少し日中に動けるようになったらひきこもりの支援拠点である「江戸川区駄菓子屋居場所 よりみち屋」もあります。こちらについてもぜひ遊びに行ってみてください。

まとめ

寝るというのは簡単に見えて奥が深いというか、もはや技術として習得しないとちゃんと寝ることが難しいくらいに情報や刺激過多の時代です。そして、睡眠リズムの崩れや寝不足がひきこもり状態の入り口のなりかねないということも身をもって知りました。睡眠をなめてはいけないし、睡眠こそが人生だ!とすら言えるかもしれません。というわけで、今晩こそ早く寝たいと思います。おやすみなさいませ。

きむら

きむら

聴覚障がいとADHDの特性を持つしろひげ在宅診療所スタッフ。山形県出身。ASDと軽度知的障がいのある妻と江戸川区で二人暮らし。ろう学校を卒業したあとさまざまな職を転々しつつ独自のADHDライフハックを研究している。くらげというペンネームでライター活動などを行っており著書に「ボクの彼女は発達障害」がある。

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