「不登校」という言葉を聞いたとき、真っ先に浮かぶのはその状況にいる子どもの姿ではないでしょうか。自分の本当の気持ちは何だろう、明日からどうすればいいのか、周りとどう関わればいいのか…
さまざまな悩みを小さな体でじっくり考えています。ですが、当事者の子どもがさまざまな悩みを抱えているのと同じくらい、それを支える保護者も、こころの中でいろんな気持ちに直面しています。
今回は、フリースクールを運営する山崎先生ご協力のもと、不登校の子どもを育てる保護者のみなさんのフリートークから、不登校を支える家族の気持ちを伺います。
座談会メンバー
- 山崎さん :フリースクール代表
- おめぐ :たゆらかママ
- たも :たゆらかママ
- Oパパさん:小学2年生のパパ。
息子は現在、早退したり、親が付き添いながら通学している。 - Nママさん:小学2年生のママ。
息子が1年生の夏休み明けから不登校。友達と約束した日は投稿するなどたまに学校に行っている - Mママさん:小学6年生のママ。
息子が夏休み明けから不登校に。フリースクールを中心に通っている。 - Tママさん:小学5年生のママ。
娘が夏休み明けから不登校気味に。姉は学校に通えているので姉妹でも対応が難しい。
たも:お子さんが学校に行きたくないときっかけを教えて頂けますか?
Tママ:私の娘の場合は、小学校3年生の時の夏休み明け3日後くらいに、突然部屋から出て来なくなってしまったんですね。学校に行きたくないとかの言葉もなく、ただただ黙っていて、口を閉ざしたのが始まりです。理由は言わないけど学校に行きたくない…という感じでした。
部屋でうずくまって「学校に行くのが、いやだいやだ」としか言わなくて、様子を見ながら休ませたり、私たちもどうしてなんだろうと理由が分からないまま「学校に行こうよ」と引っ張り出して登校させていました。最初はそれで何とかやりくりしていたものの、やっぱりまた行けなくなっちゃったんですよね。
その時に私も吹っ切れて、無理に学校に通わせるのはやめて、フリースクールとか探してみようかと。
Mママ:私の息子も夏休み明け、久しぶりの学校の日直当番がうまくできなかったことで自信をなくして少しずつ休む日が増えたり、体調が悪くなってしまって12月には完全に行けなくなってしまいました。
最初はそれでも頑張って登校してはいたんですが、林間学校で自分には学校が合わないとはっきりと気付いたようで、本人から「学校に行かない」と宣言されました。
Nママ:息子は、夏休みまでは楽しく学校に通っていたんですが、休み明けの学校公開に行ったときに、机で伏せていたり教科書を投げている息子を見て、初めてSOSに気付きました。
真面目なタイプだったので、そんなことをするのが珍しくて。そこから「行きたくない」となってしまって。
私も学校に相談しながらも、どうしたら良いかわからなくなってしまいました。お友達のトラブルも増えてしまったり、担任の先生と合わなかったり…一度思い切って休ませてみたら、顔が明るくなって「あれがしたい!これがしたい!」と色々と前向きなことを言ってくれるようになって、これは学校に無理矢理連れて行ってはダメだなと思いました。
たも:予兆みたいなものはあったんでしょうか?
Tママ:予兆みたいなものは特に感じてなかったんですよね。
でも娘によくよく話を聞いてみたら、クラスの雰囲気に馴染めなかったり、ざわざわした音が苦手だったり…本人的には色々な出来事が積み重なって行けなくなったんだと、今振り返ると思いますね。元々、大人数の中での集団生活が苦手だったのかなと思います。
ナイーブな所をたくさん持っている子なので、今もそうなんですけど大人数の社会にいるのがとても苦手なので、一旦フリースクールのような違う環境でお世話になって様子を見ようかなと思っています。
たも:子どもって、案外言わないで我慢すること多いですよね。
Oパパ:我が家は入学前の時点で普通級にするか特別学級にするか悩んだ経緯がありました。小学校自体を、福祉に手厚い学校に入学させたんですが、実際に入学すると担任の先生との相性があまり良くなくて。
今は早退したりしつつ何とか通ってはいます。放課後デイサービスやフリースクールを利用しながら毎日を過ごしている感じです。
おめぐ:お子さんに言われて印象に残っている言葉とかありますか?
Mママ:不登校になったのはママがもっと早く対応してくれたらよかったのに!と言われたことはありましたね…(思い出しながら涙)
おめぐ:甘えや不安をママにぶつけたいのかもしれないですね。みなさんがお子さんに対して意識しているルールなどはありますか?
Tママ:私自身が小学校時代に楽しく過ごしてきたこともあって、不登校に関する知識もなかったし、はじめは学校に行かせる糸口を見つけることに必死だったんですよね。でも、ふとしたときに「そうじゃなくていいんだ」と思ったら、子どもに無理矢理、頑張ろうよとか言うのってプレッシャーになってしまうんだと気づきました。
今は「人生何とかなるんじゃない?」みたいなスタンスで接するようにしています。姉妹間でも難しいんですよ。姉は繊細なので、あえて「何とかなるでしょ」スタンスで行くんですけど、次女は性格も正反対で学校も普通級に通っているので、「あなたはやんなさい!」って言っちゃいますね。ただ、子どもの様子をみて、その状況に合わせて伝えるようにしています。
たも:「頑張れ」って言ってはいけない風潮ですけど、少し頑張らせることで後押しが出来るきっかけになる子もいるのかもしれないですね。
Mママ:うちは食事の面で気を付けていました。不登校をきっかけに食事が食べれない時期があったので、もう間食でも何か食べれたらOKという感じで。「食べなくても、食べてもいいよ~」と、食事を摂ることがストレスにならないように。そこだけは気をつけていました。
Nママ:私は、自分の価値観を押し付けちゃうことが多かったんですけど。実は子どもと話してみると、本当はちゃんと考えているんですよね。本人なりの理由があるんだなって気付いて。
まだ学校に通えていた時に音楽発表会の練習を全然しないですと先生から言われたことがあったんです。息子的には、ピアニカの簡単な曲をやりたくない、もっと難しい曲がやりたいから練習しないという理由だったんですけど。
真面目過ぎるから、「そんなのやってるフリでもい良いじゃない?」と声をかけたら「それになんの意味があるの?」と返されてしまいました(笑)。
たも:ごもっともですね(笑) 。子どもたちの価値観の中でしっかり考えているんですよね。
Nママ:それからは一旦、子どもの話を聞いて、何が嫌なのか理由を聞いてみたら納得することが多いので価値観を押し付けないようにしようと思いました。
たも:みなさん、相談するのはやっぱり友人ですか?
Oパパ:パパだけで集まる『お父さん会』というのがあって、夏にはキャンプをしたり、この間は落語家さんを呼んだり。イベントを通して同じ境遇の親御さんとの交流がありますね。
全員:へぇ~良いですね~😊
たも:私もついしちゃうんですけど、普段ほかのお子さんと比較してしまうことなどありますか?
Mママ:う~ん。どうしても、してはいけないと思いつつもちょっと別の子と息子を比べてしまうときは正直ありますね。
たも:今の正直な気持ちとして、また学校に行ってほしいですか?
Tママ:私は本音としてはそこはもう吹っ切れたかな。娘と同じような年代の子が公園とかで楽しそうにしているのを見ると、彼女もそうなれたら楽しかったかな?と思うこともあるけど、娘は今のフリースクールが楽しいんだしそれでいいかなと。親だから、やっぱり将来は気になりますけどね。
本当は本人も考えているのかもしれないですけど、私としてはそういう所がやっぱり不安になりますね。娘は「私は勉強しません!」って宣言しちゃってるんで(笑)。「それも人生だよね~」と娘には言いますけど、心のどこかで「それで良いのかな~」と心配しちゃいますよ。どうしていいか分からないんですよ(笑)。
Mママ:分かります!うちも同じです。息子はゲームが大好きなので、フリースクールの帰りに「何が一番楽しかった?」って聞いて、「ゲーム!」って言われると、うんうん、そっか~…って(笑)。勉強はどう~?とさりげなく聞くんですけど、反抗期なので「分かってる!言わないで!」と言われてしまって(苦笑)。
おめぐ:言わなきゃ言わないで本人は何もしないし難しいんですよね。最近、私は何が正解なのかを子どもに先に聞くようにしてますよ。山崎先生、勉強面はどうしたら良いのでしょうか?
山崎先生:お父さま、お母さまを目の前にして言いづらいんですが(笑)、みなさん同じことおっしゃるんですよ。初めは「ここに来れてとても楽しい!と言ってます」と言ってくださりますが、大体1か月くらい経つと、「ところで先生、学習面は~?」って(笑)。
おめぐ:そこはぜひ、山﨑先生に頑張ってもらいたいですね(笑)。
山﨑先生:はい!僕も勉強が大好きなんで教えたいんですよ。でも実は、どんな遊びでも、子どもたちが楽しんで取り組むことが学びやスキルに結びついている。そこに導く工夫をすることが大人の役目かなと思いますね。
たも:学校もフリースクールもどちらも良い面があるし、毎日の過ごし方をハイブリットに選択出来たら子どもたちはもっと生きやすいのかもしれないですね!
子どものそばにいると、大人たちの方が不安や心配、もどかしさを感じてしまうこともあります。でも、子どもたちは何も考えてないわけではない。何か理由があって話さないでいるのかもしれない。まだ10代。子どもが話したい、行動したいタイミングを一緒に待ち、受け止められるように、私たち大人も自分自身のこころをもっと知っていく必要があるのかもしれません。
▼現役の先生に聞く、不登校の子どもたちの現状
https://tayuraka.com/futoko-real/
▼数字で見る不登校の最新リアル2025
https://tayuraka.com/futoko-data-2025/
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