不登校の子どもが増えているという話題は近年大きく取り上げられています。
しかし、その実態や子どもの姿は、外からはなかなか見えにくいものです。
今回は松江第四中学校で不登校対応巡回教員を務める林先生に、現場で感じる「不登校のリアル」と子ども達への向き合い方について伺いました。
現場のリアル
子ども達と関わって感じることを挙げてみます。
実際、教室に入れない理由は、無気力や不安、友人との関係がうまく築けないなど、公表されているデータのような理由が複合的に絡み合っている印象です。勉強面で、小学校からつまずいている子もいます。学年が上がるにつれ、さらに難しくなり、教室にいることが苦痛になってしまう子もいます。周りの目を必要以上に気にしてしまう、繊細で敏感な子が多いように感じます。
コロナの影響で、直接コミュニケーションを取る機会が減り、体験や経験の時間が少ないことも繊細な子が増えている要因の1つだという話も聞いたことがあります。また、夏休み明けに不登校気味になってしまう子も多いです。1学期までは何とか頑張って通っていたものの、長い休みをきっかけに自分でも表現できない感情や漠然とした不安から、パニックになってしまう子も見られます。
子ども達への接し方
学校に行けなくなった理由を子ども達から積極的に話すことはあまりありませんが、親御さんからは「できたことを少し褒めたことで様子が変わった」と聞くこともあります。不登校の子ども達と接していると、怒られることよりも、否定されることが悲しいのかなと感じます。自己肯定感が低くなってしまっている子が多いので、些細なことでも褒めてあげたり、関心があることを示したりするだけでもすごくうれしいと思います。
学校に行けなくなった子どもはみんな不安を抱えています。そのため、子ども達には、安心して話せる誰かや居場所が見つけられるよう、学校は支援しています。身近な人なら誰でもいいから話してほしいです。進路も心配になるとは思いますが「何とでもなるよ!」と伝えたいです。
日々、子ども達と接していて一番大切だと思うのはその子のタイミングを「待つこと」です。とは言いながら、教師の私も近くにいるとヤキモキしちゃうんですけどね(笑)。
まだ、10代。子どもから話したい、行動したいタイミングを一緒に待ってあげることがつながりを作る上で一番大切なんだと思います。
お話を伺って
林先生の現場ならではのリアルなお話を伺い、「不登校なのは個人の努力不足」という単純は話ではなく、複雑な事情が絡み合っていて特効薬のような解決方法はないと改めて感じました。また、コロナなどといった社会的な影響も大きく、子ども個人の気質だけで考えてはいけないことも分かりました。
林先生は不登校の子どもへの接し方で最も大事なことは「待つことだ」と仰っていましたが、子どもが不登校になるとどうしても焦ってしまうものです。そういう時ほど周囲の大人たちが動じず、子どもとの関わり方を再考する機会ととらえることも大事なのだなと思いました。
林先生のお話は不登校支援に関わるすべての大人にとって、子どもとの向き合い方を見つめ直す大切なヒントになると感じました。
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