本日で入社して2カ月経ちました。年末年始休暇を挟んだり、感染性胃腸炎で数日ダウンしたり……ということもあり、ストレートに2カ月まるまる働いたという実感は薄いのですが、どうにか仕事を続けることができております。このコラムの執筆以外にもさまざまな記事を書いたり、いろんな作業をやったりと仕事も増えてきまして、それなりに忙しく仕事をしております。
しかし、そうなってくると自分の聴覚障がいやADHDなどの問題が少しずつ足を引っ張ってくる感じも増えてきます。まず、仕事が増えてくるとあれやこれやと締切が複数重なってきたり、指示をちょっと聞き漏らしたり、ミーティングの場に呼ばれてもところどころ聞こえなくて「?」となる瞬間がどうしても出てきます。
また、睡眠リズムが定期的に崩れてしまうのですが、それで朝、気が付いたら出勤時間に間に合わない、ということもどうしても起こってしまいます。このあたりはもう「障がい者」としての素の自分ではどうにもならないところでもあります。
これまで人工内耳の手術をしたり、ADHDを抑えたり精神を安定させる薬を飲んだり、スマホの文字起こし機能を活用したり、Apple Watchで睡眠管理を頑張ったりと、医療的な処置もあれば個人的にテクニックを集めたりもしていて、自助努力はかなり重ねています。
それでも「どうしても抜け落ちる」というところは自分で分かっていたり、さらには自分で分かっていないところでポロポロと出てくる。これは自助努力ではどうにもならない部分があるし、だからこそ「障がい者」というカテゴリの人間になるわけです。
幸いといいますか、この職場は障がいに対する理解がたいへんありまして、仕事のやり取りはチャットアプリで行っていますし、重要事項のメモもチャットアプリのメモやノート機能で共有してもらっています。スケジュール管理も共有カレンダーに入れてもらっており、ダブルブッキングの防止になっています。
また、個人的なスマホの文字起こしアプリの使用許可も出ているため、会議などでも文字化したものを見ることができます。これらの支援は会社にもともとあるビジネスアプリや無料で使えるアクセシビリティ機能ばかりなので、本当にデジタル化やAIによる恩恵が大きい時代だなと感じるわけです。
しかしながら、一番ありがたいのは「体調」に対する気遣いですね。私はいわゆる物を運んだりする「体力」の意味では、小さい冷蔵庫やテレビくらいなら一人で1階から3階に上げられるくらいの力はあるのですが、メンタルの不調や睡眠リズムの崩れ、天候不順などで体調が崩れやすく、いったん崩れると座っているだけで頭がクラクラして脂汗が出たりします。
前の職場ではこういう状態でも無理に座り続けていて、それが数日続くと身体に完全に限界が来て欠勤が続く、ということもありました。これに関してもいろいろ改善を図っているのですが、本当に無理なときはどうにもなりません。
しかし、どうもこの「疲れやすさ」に関してはなかなか「辛いです」と言いにくいものがあって、聴覚障がいがありますとかADHDがあります、は今でこそ引っかかりなく言えるのですが、「疲れやすいです」「時々急激に眠くなってボーっとします」とはなかなか自分から開示しにくいのですよね。
障がいや困り事というのは「言わないと伝わらない」ことが大半で、私自身「困っていることがあればはっきり言った方がいい」とアドバイスすることが多いのですが、やはり自分の中で「これは言えるけどこれは言えないなぁ」という区分のようなものはどうしてもある。これはある意味で「プライド」や「自尊心」というものと絡んでくるように思います。
自尊心とかプライドというのは、要は「このくらいならできるだろう」という自分の中の常識に支えられていて、そういう意味では「これは言いにくい」というのは「自分はこれくらいできて当たり前」という常識を意識的にせよ無意識にせよ抱えているということなのでしょう。私の中でも「仕事中に体調が悪くなること」を障がいやら何やらのせいにすることができず、単に「自分の弱み」だと感じているのかもしれません。
というわけで、なかなか自分では「疲れている」とか「頭がボーっとしていてしんどい」というのはあっても、「ちょっと中座して頭を冷やしてきます」とはなかなか言いづらいのですが、周りから見たら多分分かりやすくボーっとしているようで、かなり心配されています。
そういう意味では、自分がボーっとするのは「聞こえにくい」とか「スケジュール管理が大変だ」と同じレベルで明らかなのに、私がなぜかそれを開示しないし無理しようとするのはなぜなのだろう、と周囲は思っているのかもしれないですね。となると、やはり「弱み」というのは積極的に「これはできないし体調が悪くなる」ということを「自分の常識」から手放して開示していくことが、仕事を続けていくうえで大事なのかもしれません。
ちなみに、どうしてもつらい時はロビーのほうで目をつぶって休んでいたり、どうしてもだめなときは連絡して遅刻や早退をさせてもらっています。
もちろん、その分の時間は減給となりますが、あまり無理して仕事を続けても辛いことが多いので、一度休んで体調を整えた方が会社にとっても自分にとっても良いのだろう、という判断ですね。
あまりメンタルに負担がかからず早退や遅刻ができるというのは、それだけで本当にありがたいことです。
しかしまぁ、自分の中の「プライド」を投げ捨てるのは比較的できているんじゃないか、と思っていたのですが、改めてサラリーマンとして働いてみると、こだわっていることがまだまだあるなぁと反省したポイントでした。
ただ、やはり早退や遅刻を重ねても仕事の期限は守るとか、他の人に迷惑が掛からないように調整するということは必要なので、そういう努力はちゃんとしていきたいところです。
「できる事」と「できない事」を切り分けるには時間も経験も必要で、これからも仕事を続ける中で自分も自分の理解を深めていかなければなぁと思う次第でした。
というところで今回はこれくらいで。コラムというか反省文になりましたが、少しでも何かの参考になれば幸いです。では。
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