2025年、不登校(年間30日以上欠席がある状態)をめぐる状況はより大きな問題となっています。
文部科学省が公表した令和6年度の調査(※1)では、小・中学校における不登校の生徒数が35万3,970人と過去最多になりました。
この記事では、文科省が公表した最新データをもとに不登校の人数・増加率・背景要因・支援状況を整理して、2025年の不登校のリアルを解説します。
小・中学生における不登校が35万3,970人と過去最高

文科省が2025年10月に公表した最新データ(令和6年度)によると、小学校では13万7,704人、中学校では21万6,266人が不登校になっており、12年連続で増加。小・中学生全体では生徒1,000人当たり38.6人(約26人に1人)が不登校になっています。
高校生の不登校も6万7,782人と多く、小・中・高を合わせると42万1,752人となり、日本の学校現場が抱える大きな課題として浮き彫りになっています。

不登校の原因は心身の不調がトップ

不登校の背景としては、①学校生活に対してやる気が出ない、②生活リズムの乱れ、③不安や抑うつ…といった心身の不調が大きな割合を占めています。生活リズムの乱れはコロナ禍以降で特に目立つようになり、生活の夜型化や睡眠不足、家庭内の生活スタイルの変化が影響しているとみられます。また中学校では小学校の約1.6倍の生徒が不登校になっており、思春期の心身の変化や学習内容が難しくなり勉強に対する苦手意識が強くなること、部活動や人間関係の悩みなど、複数の要因が重なった結果が背景にあると考えられます。
発達特性と不登校の関係
生徒全体における発達障がい・グレーゾーンの生徒の不登校率は35.5%と、不登校の全体平均(3.9%)の約9倍に上ります。また、発達特性のある子どもの61.5%が「いきしぶり・欠席」を経験しており、生活の中で悩みを抱えやすいこともデータから明らかになっています。
相談内容については、障がいに関係した特別な教育支援の相談や、個別の配慮を求める相談が一定割合を占めており、学校環境における生活のしづらさや集団行動、曖昧な伝達といったストレスと、支援体制が追いつかないことで不登校につながるケースが増えていると読み取れます。
長期欠席(90日以上)の生徒の増加
不登校(年間30日以上欠席)のうち、90日以上欠席した生徒は19万1,958人になりました。この人数は不登校全体の54.2%を占め、不登校の生徒のうち半数以上が「長期欠席」の状態です。
登校しないことで、学習の遅れが積み重なり教室に戻ることへの不安が増したり、友人関係が途切れることで「戻ったときの居場所がない」と感じやすくなったりします。こうした状態から、学校に行けない自分を責める気持ちが強まり、自己肯定感が低下することで、登校へのハードルが一層高くなる悪循環が生まれることも多くあります。
長期欠席は単に欠席日数が多いというだけではなく、人生において本人の生活・学習・心理状態に深く影響していきます。
不登校の増加率は減少
不登校の生徒数は過去最多となった一方で、新たに不登校になる生徒数は小・中ともに昨年と比べて減少しており、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーのサポートや校内外の教育支援センターの整備、保護者支援の強化など、学校現場での支援体制が充実してきたことで不登校につながりそうな生徒の変化を把握しやすくなったことが挙げられます。
まとめ
小・中学校における不登校の生徒数は過去最多の35万3,970人に達し、中学校では小学校の約1.6倍と高い割合が続いています。
背景の中心には心身の不調があると考えられ、発達特性のある子どもの不登校率は全体平均の約9.5倍にのぼります。さらに、不登校の54.2%が長期欠席で復帰のハードルが高い状態にあります。
一方で、新たに不登校になる生徒数は減少しており、学校現場の支援体制が一定の効果を見せ始めている可能性もあります。
不登校は「問題」ではなく、子どもが今の環境で安心して学べないという状態であり、データを正しく理解することが一人ひとりに合った支援につながる第一歩となります。
(※1) 「児童生徒の問題行動・不登校等に関する調査」
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