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リアルな話を聞いてみた!就労移行支援事業所 体験談

【就労移行支援事業所は「働くための準備ができる場所」】

「就労移行支援事業所」とは障がいや難病により仕事をすることが難しい方が就労に向けたトレーニングを受けられる場所です。
しかし、実際にどのようなトレーニングを行っているのか、なぜその訓練を受けようと思ったのか…などは、あまり語られることがありません。

そこで今回は、就労移行支援事業所「こぶし瑞江」に通所している龍育さんに具体的な就労移行支援事業所について教えてもらいました。

龍育さん(30代)
2025年1月からこぶし瑞江へ通所スタート。
デザインツールを使った制作物、コミュニケーションや心理系のプログラムなどを行いながら就職へ向け準備中。

■まずは、就労移行支援に通い始めるまでの経歴と現在の施設(こぶし瑞江)を選んだ理由をおしえてください。

元々、会社員だったんですが、仕事が結構忙しくて体を崩してしまい退職しました。

メンタルクリニックで最初のころ先生から「デイケアはどう?」と言われて、デイケアなどもちょっと見学しましたが、自分には合わないなと思っていろいろ調べて、ここを体験した時に「あ、ここだったら自分のペースで作業ができそう」と思ったので決めました。

他の就労移行支援では、スーツを着たり、時間割り通りにみんなで同じプログラムをやったりすることもあるそうですが、それはまだ体調的、メンタル的にもきついなっていうのがあったので。

■就労移行支援はさまざまなプログラムが用意されていますよね。今は具体的にどんな作業をされていますか?やりがいのある作業などもあります?

就労移行支援のプログラム内容は、“個別支援計画“に則りながら、自分の担当スタッフと相談して決めています。一般的なプログラムでいうと、タイピングやWordなどPC訓練、軽作業や清掃などの作業ですかね。

あと僕の場合、デザインに興味があったので、AdobeのIllustratorやPhotoshopなどをやってみたいとスタッフに相談し、まずは基本を教えてもらいました。

そこから教科書やネットなどを使って自分で勉強しながら、イベントのポスターやお便りの作成などをやっています。それが今すごい楽しいですね。

■通所してみてどうですか?けっこう疲れそうですが…。

今は月曜日から通っています。たまに土曜日も開所してるんで、その時は土曜日までフルですね。

僕は家にいる方がつらいので、逆にこっちに行った時の方が楽しめてますよ。
皆さんけっこう距離が近くて、和気あいあいとしているので、個人的には家よりここにいた方が居心地がいいですね。

■心地よく通えるだけで負担が減りそうですね。作業中に意識/目標にされていることは?

目標になるのか分からないんですが、何でも楽しく取り組むっていうのが一番大事だと思います。


ポスターなどを作っているとき、頭の中では「こうやりたい」と思っても、思うようにできないこともありますが、操作方法を調べてそのやり方を新しく知ると、スキルアップできていると感じます。
なので、分からないことでも楽しんで取り組むようにしていますね。

■困ったことがあれば相談などもできる環境ですか?

例えば仕事のことでも日常生活のことでも、相談したいことがあったときには担当の人と相談する時間が取れますよ。

僕もよく担当スタッフにいろいろ言ってて、両親より話してるくらいなので、本当に気軽に話せる場所ではあるかなと思ってますね。

■他に就労移行支援に行って変わったなとか、成長できたポイントはありますか?

ここに通う前は本当に落ち込んでしまって動けない状態だったんです。

抑うつ状態というか適応障害で、本当に動けなかったんですが、それをなんとか切り替えなきゃと思って、メリハリをつけるためにここに来て、ゆっくり自分のペースで始めました。

最初の頃はボーッとしている時間も多かったんですけど、ここのスタッフさんの雰囲気とかで徐々に自分の“鬱々とした気持ち“っていうのが晴れていくというか。本来の自分を取り戻すではないですけど、そこには近づいてきているっていう感じが大きいですね。

午後のプログラムでは利用者同士のグループワークもするんですが、共感できる話も多くて、それがすごく安心につながるし、学びもありました。

■通い始める時は不安や緊張感はありました?

最初のころは、生活リズムが全然整っていなかったので、時間通りに行くのが結構大変でした。

あと、新しい環境だったので、どんな人がいるのかも通ってみないと分からないですよね。

だから結構不安でしたけど、スタッフがフレンドリーだったので、入りやすかったなというのが印象的ですね。

■たゆらかたうん読者の中には、同じように家から出られないけど、何か変わりたいと思っている人も多いです。龍育さんの場合、どんなことが新しい一歩を踏み出すチカラになりましたか?

家にいても部屋にこもり気味で、何もできていない自分が嫌だったという原動力。

あと、今後も企業で仕事を続けたいという気持ちがあったので、就職を視野にいれて一歩踏み出しました。

でもやっぱり最初は大変でしたね。就労移行支援なども知らなかったので、まずは普通に散歩から。
散歩も当時の自分にとっては、大きな第一歩だったんです。

■最初は一歩外に出るのが難しくても、自分のペースでゆっくりと歩き始めることが大事なんですかね。

そうですね。“自分のペースで“というのは大きいですね。
僕は今30代なので、20代から30代の人たちは、いまからやりたいことを探していけばいいのかなって思っています。僕もそうだったんで。

僕はこれまでの人生に一回区切りをつけて、今は第二の人生だと思ってやっています。リセットという言い方は変ですけど、次の新たな人生として就労移行支援に通ってるかな。

【編集後記】
病気で退職したものの就労移行支援に通うことで「第二の人生」を見つけたという龍育さんはインタビューでもとても楽しそうに話しており、就労移行支援事業所が龍育さんにとって大事な居場所になっていることが感じられました。

また、ひきこもり状態から自分を変えたいと就労移行支援事業所に通おうとした姿はさまざまな事情があってまだ一歩が踏み出せないでいる障がいのある方にとっても大きな励みになるのではないでしょうか。今回は貴重な話をお伺いさせていただき、ありがとうございました!

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