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障がい者が地域で自分らしく暮らすために。グループホームの選び方と利用のメリット

グループホームとは、障がいのある人が地域の中で安心して暮らすための共同生活の場で、自宅のような自由さと必要なときに支援を受けられる安心感を両立した『ちょうどいい生活環境』として多くの人が利用している施設です。

障がいのある方の住む施設はいろいろありますが、その中でもグループホームはスタッフが常駐して、食事や家事のサポート、服薬や通院の見守り、金銭管理の相談、生活リズムの調整など、日常生活を安定させるための支援が受けられる点が特徴です。

かつてのグループホームと今のグループホーム

かつてのグループホームは知的障がいの人や精神障がいの中でも重度の人が暮らす場所というイメージが強かったのですが、2012年に「障害者総合支援法」が制定されたことで精神障がいや発達障がいがある人も正式に対象となりました。

また、国は「施設から地域へ」という方針を定めて、障がいのある方でも地域で生活したり、入院期間を短くするなどの施策を強化しています。この施策の一つとしてグループホームへの入居者を増やすような仕組みを整えています。

これらの政策により、現在のグループホームでは若い世代や働きながら生活する人、家族との同居が難しい人など、より幅広い方々が生活するようになりました。今では20〜30代の利用者も珍しくなく、仕事を続けながら入居する人のほうが多くなっています。

グループホームに入るメリット 

グループホームに入居する最大のメリットは食事の提供や服薬の見守り、金銭管理のサポートなど生活支援を受けることができて生活の基盤が整い、それから心身の安定を図ることができることです。

また、一人暮らしで起きやすい孤独や不安を感じたり、生活リズムの乱れることが多いのですが、グループホームでは必要なときに頼れる人がいる環境になっています。これらの支援により生活が安定することで、仕事や通院、就労移行、地域活動などの社会参加がしやすくなります。

また、障がいのある方の家族の負担が減り、家族の間で適切な距離感で見守れるようになる点もグループホームの重要な役割となります。

グループホームに入れるのはどんな人か 

グループホームの入居対象は知的障害、精神障害、発達障害、そして生活面で支援が必要な身体障害など幅広いのですが、障害福祉サービスである「共同生活援助」の対象である必要があります。

このサービスは障害の重さだけではなく生活のしづらさも判断の対象となるため「一人暮らしが難しい」「生活リズムが整わない」「金銭管理が不安」「家族との同居が難しい」「社会復帰のステップとして利用したい」といった生活上の困難があれば軽度の障がい者でも対象になることがあります。

グループホームの費用はどれくらい?

グループホームにかかる費用は主に家賃、食費、光熱水費、日用品費、そしてサービス利用料です。家賃は地域によって異なりますが、3〜5万円程度が多く、「家賃補助(特定障害者特別給付費)」が1万円支給されるため実質負担は2〜4万円程度に収まることがほとんどです。

食費は1万5000円〜2万5000円、光熱水費は8000円〜1万2000円、日用品費は数千円〜1万円程度が一般的です。サービス利用料は原則1割負担ですが、「負担上限月額」が適用される場合は、実質負担は0〜数千円で収まります。 

これらを合計すると、月5〜7万円前後で生活できるケースが最も多く、一人暮らしより生活費を抑えることができ、更に支援がつくので経済的に安定して生活しやすくなります。

グループホームに入りたいと思ったときの手続きとは

グループホームへの入居を希望する場合は、まず相談支援専門員に相談することから始まることが多いです。この相談支援専門員は、市区町村の障害福祉窓口、地域の相談支援事業所、または医療機関や福祉施設の紹介などで紹介してもらえることが多いです。まずはこれらの窓口に問い合わせることが大切です。

そのあと、相談支援専門員と一緒に「サービス等利用計画」を作成し、市区町村に申請して受給者証を取得します。その後、希望するグループホームを見学して、面談を経て契約・入居となります。

これらの手続きは複雑に思えるかもしれませんが、実際には相談支援専門員がほぼすべてをサポートしてくれるため、利用者が迷うことはそれほど多くありません。

グループホームはどこで探せるのか?

グループホームは、市区町村の障害福祉課、相談支援事業所、地域の社会福祉協議会、医療機関、就労支援事業所などで情報を得ることができます。また、インターネット上の検索サイトや、事業者のホームページから探すこともできます。 

ただし、グループホームは「住むための場所」であるため、実際に見学して雰囲気を確かめることがかなり大切です。

シェアハウスとの違い 

グループホームがかなりカジュアルに入居できるようになったため、シェアハウスとの選択を迷うケースも出てきましたが、シェアハウスは共同生活の住まいの場であり、支援はありません。

一方でグループホームは福祉サービスとして提供されているため、生活が不安定になりやすい人でも安心して暮らせるように設計されており、生活支援を行うスタッフがいるなど支援体制が充実しています。

つまり、グループホームは『支援付きの住まい』であり、シェアハウスは「支援のない共同住宅」という違いがあります。

グループホームを選ぶときに確認すべきこと 

グループホームは事業所ごとに雰囲気やルールが大きく違います。スタッフの支援スタイルが自分に合うか、入居者の年齢層や生活リズムが自分にとって心地よいか、食事や共有スペースの使い方が無理なく続けられるかなど、生活の細部が自分に合うか確認することが大切です。

また、発生する費用の透明性や追加料金の有無、立地の便利さも生活の質に直結します。見学の際には実際の生活の様子を確認して疑問点を遠慮なく質問することも重要です。

グループホームの入居にあたっての注意点 

グループホームは福祉サービスであるため、門限や外泊、来客などのルールが事業所ごとに異なります。また、医療的ケアの可否もグループホームによって異なるので医療的ケアが必要になった場合は退去が必要になることもあります。

また、グループホームとの相性が合わない場合は、無理に我慢する必要はなく、相談支援専門員と相談して別のグループホームに移ることもできます。

グループホームに入居するメリットのまとめ 

グループホームは、一人暮らしより安心で、施設より自由な『第三の選択肢』として、多くの人の生活を支えています。また、グループホームに入居することで生活を安定させ、社会的な孤立を防ぎ、社会参加が続けやすくなり家族の負担も軽減されます。

軽度の精神疾患や発達障害の人、若い人、働きながら生活する人など、幅広い層がグループホームを利用できるようになった今、グループホームは地域で自分らしく暮らすための重要な支援のひとつになっています。

生活環境を整えることは、日々の安定につながります。気になる方は、まずは見学や相談から始めてみると良いのではないでしょうか。

参考:厚生労働省 障害者の居住支援について (共同生活援助について)(PDF)

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