しろひげ在宅診療所の患者様で、ご夫婦共に発達障がいの特性をもちながらも、毎日をとっても楽しく暮らしている木村さんご夫婦。ライターなどの仕事を通して、奥様との付き合い方を描いた著書などを出版している、夫・木村仁さんからお話を聞きました!
障がいも人生のゲームと捉えて
■木村 仁さんからのコメント
家族というのはただでさえ問題が起きやすく、言動に問題があるという理由で縁を切るのも難しいと思います。我が家は私も妻も発達障がいで、妻のASDなどからくるトラブルや私のADHDでの失敗など毎日のように問題が発生しています。
しかしまぁ、発達障がいだから仕方ないよね、としてこれまで学んだASDやADHDの知識や経験から「なんとなく解決できそうな方法」を模索しています。
発達障がいと診断されることは「どんな問題が起きやすいか」がわかるということで、むしろ「家族を理解するチャンス」と捉えてしまった方がストレスは少ないように思うのです。
もちろん、病院や支援団体などとの連携を試みて、家族だけで問題を丸抱えしないことも重要です。家族だけで解決することを考えすぎて全員が疲れ果てるケースもあります。家族は医学的にも支援者としても素人であることがほとんどなので専門家の意見を素直に聞くこともまた家族との健全な関係性の修復に役立つと思います。
家族しかできないこともあれば家族ではできないこともあります。その線引をしつつ、その上で「家族のトラブルを家族で乗り越えているクエスト(冒険)に取り組む」みたいな向き合い方もまたあり得るのではないでしょうか。ただ悩んでいるよりも人生をかけたゲームと考えたほうが有益かなぁと我が家では感じています。

【木村仁さん・靖子さんご夫婦】
最近オープンした「ひげぞ〜のいえ」にて。木村さんは身長が高く、奥様が童顔であることから2歳差なのに親子に間違われることがあるそう。
取材中、漫才コンビのような息ぴったりの掛け合いがとっても温かく、ほっこりとした気分になりました♪(たゆらか取材班)

木村 仁 さん
聴覚障害・ADHD・双極性障害。双極性障害と診断されたが後にADHDと判明。現在はADHDの治療を受けながらライターなどの仕事をしている。妻(当時は彼女)との付き合いを描いた「ボクの彼女は発達障害」を出版。
「ボクの彼女は発達障害 ドタバタ同棲生活編」
(Gakken / くらげ (著)、寺島 ヒロ (漫画)、梅永 雄二 (監修) / 2024年9月第1刷発行)