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あそぶ

外出するのも一苦労──それでも工夫して遊びに行くモチベーションがある

1月30日(金)、1月の業務も終了し2月も更に頑張るぞ…と退勤しました。
しかし翌日、起きたらひどい悪寒を感じて熱を測ってみたら39度を超え、なにか口に入れると腹痛でのたうち回るという状態になってしまいました。

なんとか病院に行くと感染性胃腸炎ということで、薬をもらったのですが、それでも高熱も腹痛も収まるまで数日を要し、更に妻も家庭内感染してしまう始末。
どうにか出勤できるようになったのですが、今でも十分に固形物が食えず、カロリーメイトやゼリーでしのいでいる状態です。

健啖家であることがひそかな自慢だったのでまともに食えないということがここまでしんどいとは…と軽く凹んでいます。体調不良や病気で食事がとれずにしんどいという方も多いのですが、なぜ辛いのかよく分かっていなかったのでこれもまた「他人の痛みを学ぶ機会だった」と捉えたいところです。ラーメン食べたい。

今回は一週間ほど自宅にひきこもっていたので、胃腸の違和感が収まって妻の体調不良も治ったらぱっとどこかに遊びに行きたい気持ちがあります。
しかしまぁ、障がいがあると「遊ぶ」というのが意外と難しい、ということは先日のコラムにも書いたのですが、私一人ならともかく、妻はASDやてんかん・軽度知的障害もあってすぐに「遊びに行く」というのが結構難しい状態です。

もちろん、妻も遊びに行くのは可能なのですが、どこかで人と合流してなにかあったら自分に連絡してもらうようにするとか、二週間前から体調や気合いを整えるとか、そういうある種の覚悟を決めないと遊びに行くことすらままなりません。

「遊ぶ」ということ一つとっても「障がい」が足を引っ張ることは珍しくないのですね。肢体不自由や視覚障がいがある場合は比較的分かりやすいかもしれませんが、精神疾患や発達障がいがある場合も「人混みが怖い」とか「電車の中でパニックを起こしやすくなる」とかそういう難しさがあります。

では、遊びに行くのがしんどいからどこかに遊びに行きたくないわけではないか、というと当然そうでもないわけです。それぞれ工夫してなんとかやっている方もいれば、人知れず諦めてしまっている人も多いでしょう。

ところで、うちには車があるのですが維持費や駐車場代に毎月頭を悩ませるくらいにはやりくりに苦労しています。しかし、ADHDの自分は電車にずっと乗っているとイライラしてくるし、187cmという巨体のため身体を小さくしていないといけない、という苦痛もあります。

また、妻はいつ体調不良になるか分からないし、さまざまな刺激で疲れやすくなるので電車での旅行や遊びに行くと、どこで倒れてしまうかわからない。

そうなると車で移動するのが一番安全なのですよね。車を買ってから「遊びに行くこと」が増えたし、急に体調が悪くなった時でも車で病院に連れていけるなど、安心とトレードオフでもあるので何とか車は維持したいところです。これもまぁ、「遊ぶ」ための一つの工夫ともいえるかもしれません。

うちの場合は「遊びに行くのが大変」ということを「車で移動する」というある意味、力業でなんとかしているわけですが、「深夜や早朝を狙って動く」とか「事前に休憩するポイントを調べておいて遊びに行く」とか「目的のところに最短距離で行って疲れる前に帰る」とかそれぞれに工夫があったりするわけですが、まぁ、どうしても「気楽に」とはいきません。

よく障がいがあると「遊べるくらい元気なんだね…」と言われることがありますが、人間ですからどこかに行きたい、と思うのはしごく当たり前ですし、なんとか遊びに行きたい、という気持ちをそのように否定されると本当に悲しいのですよね。

健常者の何倍もの苦労をしてでも「行きたいところがある」というのは強力な生きるモチベーションにもつながるわけですから、周りにそういう方がおられましたら、ぜひ応援していただきたいと思うのです。

ところで、身体障がい者や知的障がいのある方向けの旅行ツアーを提供する旅行代理店が少しずつ増えています。しかし、精神疾患や発達障がいがある方向けの同様のツアーは不勉強なこともあってほとんど見たことがありません。

もし、このようなツアーがあったり、障がい者の「遊び方」をコーディネートしてくれたりするようなところがあればいろんな人が助かるのではないかな、と思うことがあります。

たゆらかたうんでも「遊び」に対する情報を積極的に発信していますが、実際に皆さんで旅行や遊びに行ける機会を作ってみるのもいいかもしれませんね。どうでしょうか。

また、江戸川区瑞江にある「しろひげ・べーす」では毎週、さまざまなイベントを行っております。参加せずに見ているだけでもいいので、ただ来てみるだけでも楽しいかもしれません。機会がありましたら、ぜひ足を運んでみてください。

▶しろひげ・べーすのインスタグラムはこちら

さて、全国的に感染症やインフルエンザが猛威を振るっています。大雪のこともあってなかなか「遊ぶ」ということも難しい時期ですが、春の足音も少しずつ聞こえています。体調にお気をつけて遊ぶための力を蓄えながらお過ごしください。ああ、ラーメンが食べたい。

きむら

きむら

聴覚障がいとADHDの特性を持つしろひげ在宅診療所スタッフ。山形県出身。ASDと軽度知的障がいのある妻と江戸川区で二人暮らし。ろう学校を卒業したあとさまざまな職を転々しつつ独自のADHDライフハックを研究している。くらげというペンネームでライター活動などを行っており著書に「ボクの彼女は発達障害」がある。

【NPO法人 しろひげ・たゆらかファンド】
「たゆらかたうん」を制作・発行している「NPO法人しろひげ・たゆらかファンド」では、「たのしく”学ぶこと”でつながる」を始め、「食べること」「体験すること」を通じたさまざまな居場所づくりもしています。
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