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ほんのイチオシ vol.2  自分の世界が変わる本

司書さんが選ぶ「ほんのイチオシ」
第2回目は、自分の世界が変わる本を2冊紹介していただきました。

『ミーツ・ザ・ワールド』 金原 ひとみ


『ミーツ・ザ・ワールド』

集英社文庫
金原 ひとみ

酔っぱらって路上で倒れた由嘉里は、歌舞伎町で働いているライという女性に助けられ、そのまま居候生活が始まります。足の踏み場もなく、冷蔵庫に醤油がこぼれた汚い部屋に住む、お姫様のように綺麗なライ。由嘉里は部屋を片付け、ライとの距離をぐいぐい詰めていきます。

ホストのアサヒ、女性言葉を話すオシンなど、さまざまな人と関わるなかで由嘉里の心は変化します。しかし、転機が訪れ・・・
由嘉里はいわゆる「腐女子」という設定です。作中作の『ミート・イズ・マイン』は焼肉擬人化漫画。
2.5次元、痛バ、リアルイベントなど推し活の楽しさも見どころです。

■POINT
・人との出会いで世界が変わる
・推し活の楽しさ

『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』


『希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話』

飛鳥新社
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ/著
フランツ・カフカ/著
頭木 弘樹/編訳

気分がいい時、落ち込んだ時、その時々の心のありようで同じ事柄に対しても見え方が大きく変化します。励まされて奮起することもあれば、本当につらい時は明るい言葉ですら苦しく感じてしまうこともあります。

本書は生まれた時代は異なりますが共通点の多い二人の文豪が残した言葉をまとめた名言集です。同じテーマに対して、希望に満ちたゲーテと絶望の日々を歩んだカフカの言葉を対談風にまとめることで両者の特徴が際立つように構成されています。


どんな時でも希望を見出す太陽のようなゲーテとどんな時でも後ろ向きに捉えるカフカ。心に染み込むように共感できる言葉もあれば、あまりにも真逆でどちらも極端な二人の文豪の言葉に思わず笑ってしまう時もあり、肩肘張らずに楽しんで読むことができる本です。

■ POINT
・世界は捉え方次第
・正反対の2人の対比の面白さ

※過去のほんのイチオシはこちらから

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