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摂食障害とひきこもりからの脱出。実際に働いてみてどうだった? ~【はたらくリアル】しろひげ在宅診療所~


話してくれた人

久木野 義和

医療法人社団しろひげファミリー
しろひげ在宅診療所
医事業務部

10年間のひきこもり生活や摂食障害を経験後、障害者雇用でしろひげファミリーに事務職員として入職。

趣味
アニメ視聴、サッカー

人から言われること
変わり者、魔法使い

黒川 雅人

医療法人社団しろひげファミリー
しろひげ在宅診療所
医事業務部 部長

しろひげファミリーの会社創業メンバーで、現在は医事課部長兼事務長。元バーテンダーの経験も持つ。

趣味
海水浴

人から言われること
明るい、真面目

最初の一歩 摂食障害とひきこもりからの出発

ー 久木野さん、お仕事を始めた経緯を教えてください。

しろひげファミリー事務職員の久木野さんの写真
久木野

私は、10年間ひきこもり生活を送っていたのですが、居場所がなく孤独で存在価値を見つけることに苦労していました。コロナ禍で外出が困難な時期、ひきこもりや摂食障害が増加していると報じられていました。そのニュースに触れ、「こんな時だからこそ、最期に良いことをして終わろう!」という後ろ向きの中での、ポジティブな気持ちが仕事を始めたきっかけになりました。

ー 入職当時のことや、お互いの第一印象について覚えていますか?

黒川

はっきり覚えています。障害者雇用の方って初めてだったし、会うまでは正直、どう対応したらいいのかなぁと緊張してた部分があったんですよね。ただ、僕自身、誰に対してもなんですけど、もともと配慮ができるタイプでは無くて…(笑) だから、もうなんというか、何も考えず自然体で向き合おうと思ったんです。初めて会った瞬間、「障がい?そうなの?」と思い、その後も本当に分からなかったです。何度か「何の障がいですか?」って聞いたこともありました。

久木野

そうなんですね。障がい者と接するのが初めてなんだなっていう風に思ってました!入職当時、障がい者のイメージってネガティブなものだと思っているので、イメージを変えるきっかけに自分がなりたいと思っていました。でも、入ってみたらそうではなく、逆に対応が”ふつう”すぎて、本当にそれが嬉しかったです。


やりがいとこころの変化

ー 現在のお仕事での役割や日常業務について教えてください。

久木野

私は主に医師の書類サポートや医療・介護費の請求関連のチェックや、書類の発送業務など幅広い業務を担当しています。細かい作業が多く、ミスが許されない仕事なんですが、期限が決まっているものが多くて達成感を感じてます。

黒川

久木野さんは、いつも業務に対して事前に綿密な計画を立ててから取り組んでいます。突発的な業務や急な依頼に対しても、嫌な顔ひとつせず柔軟に対応してくれる姿勢を持っていて周囲の期待に応えてくれます。

ー 久木野さんにどんな仕事をやってもらうかについて、意識していることありますか。

黒川

障がいの方だからっていうの考えないでおこうと思って、必要最低限の配慮を意識しています。とりあえず実際に業務を進めてもらい、できない部分は、すぐに移行するではなく業務を切り分け、あえて他のスタッフとの関わりを持ってもらうようにして協力して業務が行えるようにしています。業務ができなかったら、ただ苦手なだけだな…とかっていう感じです(笑)

久木野

仕事でミスをしたらしっかりと注意をしてくれますし、苦手なものは配慮して、得意な分野を活かせばいいという配慮をしてくれるので働きやすいです。たまに、えっ?って思うくらい大量の仕事も来ますが、いろんな業務をいただけてありがたいです。

ー この仕事を通じて、自分に対する見方や感じ方がどのように変わりましたか?

久木野

仕事を通じて、自分にも価値があると感じられるようになりました。特に、自分が作成した書類が他の人の役に立っていると感じる瞬間は大きな喜びです。同僚や上司から感謝の言葉をもらった時はめちゃくちゃうれしいです。

久木野さんと黒川さんが一緒に仕事する様子の画像


メッセージ

ー 同じような障がいや経験を持つ方々に向けてメッセージをいただけますか。

久木野

自分を信じて、一歩踏み出してみてください。どんなに小さな一歩でも、必ず自分を成長させてくれるはずです。


組織としての取り組みとビジョン 共に成長する

ー 他の企業や組織に対して、こころに障がいがある方の雇用についてのアドバイスはありますか?

黒川

こころに障がいがある方の雇用に限らずなんですが、業務を進めてもらいながら一人ひとりの特性を理解することを大切にして関係性を作っています。障害者雇用の職員も一般職員と同じ基準で業務配分や責任を持つことで、全ての職員が平等に成長できる組織になれるといいと思っています。

久木野さんと黒川部長の対談は終始和やかでした。2人だけでなく、他の障害者雇用の方々やそれをサポートするファミリー全体で、成長しつづけるしろひげファミリーがこれからも楽しみです。

しろひげ在宅診療所

重症度が高く通院できない患者様を対象に、在宅診療による医療・介護サポートを
行っている診療所。
「病気を治す」ことだけでなく「心に寄り添うこと」を第一に考え、患者様やご家族の
幸せな在宅での時間を創れるように24時間365日体制で支えている。

院長山中 光茂
診療科目内科、外科、心療内科、精神科
電話番号03-5666-4675
受付時間8:00~18:00
所在地〒132-0014 東京都江戸川区東瑞江3-55-11

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